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地球生命圏研究機構

SELIS セミナー

日時

2016年6月13日(月) 16:30~18:00

場所

環境総合館 2階第2会議室   

講演者

            渡邉 彰(生命農学研究科生物圏資源学専攻 教授)

講演内容

「 長期水田利用下で蓄積した土壌有機炭素の安定性:中国浙江省杭州湾岸土壌を題材として

  水田は畑に比べて土壌肥沃度の低下、土壌有機物の消耗が起こりにくい持続的な作物栽培技術として知られている。中国浙江省は世界でも最も古くから水田耕作が行われてきた地域であり、杭州湾湾岸域では西暦800年頃から堤防の建設とそれに伴う水田を含む耕地、宅地の拡大が図られてきた。そのため、この地域に分布する水田土壌は、同じ母材(海底堆積物)、気候条件、地形のもとで異なる時間発達してきており、それらを比較することで、水田利用に伴う長期的な土壌有機炭素・窒素プールの動態を予想することができると考えられる。演者らは、先に中国の共同研究者によって推定水田利用年数が長いほど土壌への炭素蓄積量 が大きい傾向が見出されたことを受け、土壌有機物の中でも粘土鉱物に吸着し相対的に安定であると考えられる不溶性腐植画分を中心に、構造特性や同位体の分析、培養試験による生分解の比較を行って有機炭素の蓄積が進行する要因の解析を行った。本セミナーでは、それらの研究結果を同地域の水田土壌を対象にして行われた他のグループの研究とともに紹介する。